約束の時はいつ?ノアの箱舟は実在した|語り継がれる伝説の舟

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いろいろな物語で「ノアの箱舟」でてくるけど、いったいその正体はなんでしょう?

いつから語り継がれるようになったのでしょう?

そもそも本当に存在した。存在する。存在されるのでしょうか?

ノアの箱舟とは

では、一般的に知られているノアの箱舟を箇条書きで。

・旧約聖書の「創世記」に書かれている物語に登場する船のことです。
・あらゆる動物を男女、雄雌で乗せます。
・大きさはめっちゃでかい。
・約束の時に再び動き出す。
・空を飛ぶ船。
・大洪水から守るための船。

などですね。

ノアの箱舟の歴史

ノアの箱舟
元々は聖書に記載されている物語です。なので、正直本当のお話かわかりません。
では、聖書に書かれている文を簡単に説明しましょう。

「近い未来、大洪水が起き、すべての生き物が滅びるだろう。箱舟をつくり、大洪水に備えなさい」

ある日、信心深いノアは、神のお告げを受けました。かつて天地を創造した神は、自分に似せたアダムとイブという男女の人間を創造しました。けど、はじめは神に従っていた人間も、数が増えるようになると、言うことを聞かなくなり、地上に悪がはびこりました。

そこで、神は人間を創造したことを悔み、洪水を起こして、地上にいるすべての生き物を滅ぼすことにしました

神怖い。笑 悪を滅ぼすためなら、犠牲もいとわない精神。

しかし神は、従順で「正しい人」であるノアとその家族だけは特別に助けようと考え、ノアに箱舟を作らせました。箱舟は大きさから、材料、作り方に至るまで、細かく指示されました。
長い年月を経て、大きな箱舟が完成すると、どこからともなく動物たちが集まってきました。それは、神に選ばれたつがいの動物でした。

さて、どデカイ船を作り終えたノア家族。作ってる時「なんでこんな大きな船がいるんやろ?」って思ってただろうな。そしたら、「どこからともなく動物が、、、」びっくりしたに違いない!

ノアの家族と動物たちが箱舟に乗り込むと、雷が鳴り、雨が降り始めました。たちまち豪雨となり、やがてすべての山を飲み込むほどの大洪水となりました。大洪水は、40日間絶え間なく続き、地上に残った生き物を滅しました。

大洪水

はい、神の仕業です。

ようやく神の怒りがおさまり、水が引きはじめると、箱舟はアララトの山にとどまりました。その後、ノアが外の様子をうかがうため、カラスとハトを放つと、カラスは戻ることなく、ハトは回りを飛んだだけですぐに戻ってきました。7日後、もう一度ハトを放つと、今度はオリーブの葉をくわえて戻ってきました。そこで、ノアは水が引いていることを知りました。

カラスとハトを飛ばせた意味は、そのまま帰ってこなかったらどこか止まる場所がある。ということです。けど、あれ?カラスはどこいった?

というか、外覗いたらよかったのに。「単純なことはせず、頭を使って物事をこなす」これが聖書にちりばめられてるとこも、一番売れている本の秘密かもしれませんね。

ノアと家族が箱舟から出ると、動物たちもそれに続きました。現在、生きている地上な生き物はみな、彼らの子孫なのです。

というお話です。これが一番最初のノアのお話。あとは、映画や漫画でオリジナルストーリーが付け足されて、今のノアの箱舟になっていきます。

ワンピースのノアの箱舟が一番気になるところです。笑

ノアの箱舟が聖書の伝説で終わらない理由

ではなぜ、物語のお話なのにここまで知られているのでしょうか?

それは、世界各国で「大洪水伝説」が存在するからです。

世界の大洪水伝説

聖書に書かれているノアの箱舟物語は「天地創造」の話と一緒に世界中の人に知られています。

このお話はあくまで神話で、実際に起こったことではない!とういのが一般的に認識されてきました。

地球上の生き物をすべて滅した大洪水。それに耐えた巨大な箱舟も作り話で、実話だと信じる人は多くないです。

けど、その一方で、大洪水も箱舟も実際にある!と主張する人々もいます。その根拠は、「大洪水伝説がキリスト教以外の国々にも広く語り継がれていることにある。」と。

密林に住む先住民と東方見聞録

たとえば、アメリカ大陸に初めて到達したスペイン人は、密林に住む先住民から洪水伝説を聞いたといいます。驚くことにそれらの話がどれもノアの箱舟のエピソードと似通っていることです。

キリスト教がアメリカに伝導される前から、同じような大洪水伝説が存在したのはなぜなのでしょうか。

箱舟自体の伝承も古くから残っています。紀元前275年、バビロニアぼ歴史家ベロッソスは、自著の中で「アルメニアに漂着した船」について触れています。

そこには、地元の住人が船から松脂を削り取り魔除けのお守りにする習慣が記されていますが、ノアが作った箱舟には、この松脂が防水のために使われていたと考えられているのです。
marco_polo
また、旅行家のマルコ・ポーロも「東方見聞録」の中で、「ノアの箱舟は、アララト山の山頂に雪に埋もれて眠っている」と記すなど、この箱舟伝説を実話とする文献が、古代〜中世でも多く残っているんです。

ギリシャ神話・インド神話・中国の洪水伝説

それぞれの神話の中にも似通ったエピソードがあるのも事実です。

・ギリシャ神話

ギリシア神話の物語「デウカリオーンの洪水」では、プロメテウスが息子のデウカリオーンに箱を作るよう助言します。他の人間は、高い山に逃げた少数を除いてすべて滅ぼされます。山は砕け、世界はすべて沈む。デウカリオーンと妻のピュラーは、9つの昼と夜を箱で漂い、パルナッソス山にたどり着く。
ポンペイ

・インド神話

ヒンドゥー教の聖典の物語。ヴィシュヌ神のアヴァターラ(化身)として魚の姿のマツヤ(アヴァターラ)がマヌに、大洪水が来てすべての生物を流し去ってしまうだろうと警告した。マヌは魚の世話をして、結局魚を海に放した。そこで魚はマヌに船を作るように警告する。彼が船を作ると、洪水が起こり、魚は自分の骨につけたケーブルで船を安全に牽引した。マヌは北方の山(ヒマラヤと推測される)まで牽引された。世界にはマヌだけが残り、マヌが新たな人類の祖先となった。
大洪水

・中国の洪水説話

中国古典論者の聞一多が説話集めました。その一説に、まず伏羲と女媧がいました。その兄弟は父がかつて閉じ込めた雷公を助けました。そして、父は雷公と戦いましたが、雷公が洪水を起こして攻めたために二人を残して人類が滅亡してしまいました。兄妹は雷公を助けた時に彼からもらった種を植えて、そこから生った巨大な瓢箪の中に避難して助かっており、結婚して人類を伝えたとあります。

などなど、世界にはまだまだ洪水と方舟についての伝説が残っています。

アララト山での発見

ついに、1876年イギリスのブライス卿という人が、アララト山の山頂で、ノアの箱舟の残骸と思われる木片を発見しました。これに続いて1916年には、ロシアの航空将校が機上からアララト山に難破船の形をした残骸を発見し、報告を受けた皇帝ニコライ2世は捜索隊を派遣。かなりの成果をおさめた!と発表されましたが、ロシア革命の混乱でその資料は遺失してしまいました。

いや、絶対何か隠してると思う。隕石も結局どうなったんやろう?というか、山に船かぁ!

だけど、この後も箱舟の捜査は続けられ、1954年にフランスのフェルナン・ナヴァラが、アララト山で箱舟の木片らしきものを発見するのです。カイロ博物館で鑑定を行ったところ、材質は聖書に記された同じ杉で、年代は紀元前4000年から3000年のものと鑑定されました。

現実的になってきましたね!

船そのものを発見

そして、1959年。トルコ空軍が撮影したアララト山周辺の航空写真に、聖書の創世記に語れた箱舟と形も大きさもそっくりな「長楕円形の地形」が写っていたことが判明されました。
アララト山
創世記によれば、ノアに指示した箱舟の大きさは「長さ約150m,横幅約45m,高さ約14m」となるんだけど、その「長楕円形の地形」はほぼ同じ大きさだったのです。これは、箱舟の上に岩や溶岩の塊が付着したものだと主張する人が多く「舟型地形」、「埋没箱舟」とも呼ばれています。

空からの捜索が可能となったことで、その後も箱舟発見の報告は相次ぎました。21世紀に入りロシアの調査団がアララト山とその周辺を調査した結果、山頂から30km離れた場所で化石となっている木で作られた巨大な建造物を発見したと言われています。

その後の調査結果は、まだ、細密な調査や研究段階で解明されていないようですが、すごく気になりますね。笑

大洪水の真実は?

gilgameshtablet

19世紀後半、アッシリアの古都ニネベの遺跡から、粘土板に楔形文字で刻まれた「ギルガメシュ叙事詩」が発見されました。この叙事詩は古代メソポタニアの伝説の王、ギルガメシュを主人公とする世界最古の神話に含まれる説話集です。

その中に「ウトナピシュティムと大洪水」の話が出てきます。これが「ノアの箱舟」とそっくりなので、聖書のモデルになったのではないかと考えられています。

では、大洪水は本当に起こったのでしょうか?現在、一番有力といわれているのが「黒海洪水説」です。

黒海洪水説

この説は、アメリカのコロンビア大学が調査を続けているもので、今からおよそ7500年前、氷河が溶けたことによって海面が上昇し、黒海に大量の海水が流れ込み、地中海につながったとういうものです。

黒海の海底170mから古代の海岸線が確認されるなど、この説を裏付ける発見は次々とでてきています。

つまり、この時の大洪水が「ギルガメシュ叙事詩」に記されて、やがてそれが聖書に受け継がれた。これが、ノアの箱舟は実在するといった人々の共通認識になってるみたいです。

ノアの箱舟の行方

アララト山

現在、箱舟の存在する場所として有力なのが、アララト山の山頂付近ですね。実際の緯度と経度もわかっているみたいです。

さっきの「埋没箱舟」では、今も人工衛星写真の撮影やレーダーによる地中観測などが行われていて、船の竜骨(一番大事な底の部分)と思われる木製の構造物や錨(いかり)と思われれる部品、リベット(つなげるやつ)みたいな部品も出てきてるみたいです。

リベット

錨

2003年にはアララト山の箱舟を衛星写真で撮影されています。また、違った場所からも確認されています。

アララト山

アララト山

ここまで来たら、信じざるをえません。笑

けど、山に船の部品とか出てるもんね。ん〜、早くちゃんと調査して結果を教えてほしいです。笑

まとめ

さすがに「ノアの箱舟はガチ!」っていう噂が出ているのもわかりますね。

世界にある古代の文献からして、大洪水があった。っていうのは本当そうです。ただ、ノアの箱舟はあったのか、アララト山にあるのは本物なのか、そこを信じるのはまだ難しいのかも。

これが、本物として証明されれば、聖書に書いてある物語は本当のこと。ってなりそうですね。そして最初にあげたノアの箱舟については、


・旧約聖書の「創世記」に書かれている物語に登場する船のことです。ーYES
・あらゆる動物を男女、雄雌で乗せます。ーYES
・大きさはめっちゃでかい。ーYES
・約束の時に再び動き出す。ーNO
・空を飛ぶ船。ーNO
・大洪水から守るための船。ーYES

っていう感じです。約束の時に動き出す。ワンピースのお話なのかな^^空は飛ばなくて大量の水の上に浮かんでる感じです。

ここまでで少しは解決できたかな〜と思います。ただ本当にこれからの調査結果発表は、見逃せませんね!

発表されたらまた更新していきます!

長い文を読んでいただきありがとうございます。
世界のミステリーや魅力的に感じた事など、いろいろ書いていきますので、気に入っていただけたら幸いです。
これからも、よろしくお願いします。



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