ゲームや漫画、アニメ、映画などでも語れるアトランティス大陸。
この巨大な古代文明は本当に存在したのでしょうか。
アトランティス大陸
アトランティスについて知っていること。
・消えた大陸
・海の上、海の中の王国
・古代の巨大な軍事国家
・高度な科学力を持っている
・ポセイドンが関係している
っていう感じじゃないでしょうか。では、昔話からお話しましょう。
アトランティス物語
今から1万2000年ほど前、地中海西端の「ヘラクレスの柱(ジブラルタル海峡)」と呼ばれる大西洋に、強大な軍事国家を有するアトランティス大陸がありました。アトランティス大陸は、広大な面積をもっていて、海の神ポセイドンの子供、アトラスが支配する王国でした。
大陸は鉱物資源が豊かな土地で、農業や工業も盛んに行われていました。また、地の利を生かした交易によって、膨大な富をもっていました。ありとあらゆる必需品が産出されたアトランティスは、衣食住のすべてに困ることのない理想の国家でした。
これは、古代ギリシアの哲学者プラトンが書き残した書物に書かれている文で、実際にプラトンの家系から語り継がれていることを記載しているみたいです。そして、こう続きます。
国民は1人1職業とされ、財産の私有は許されず、婚姻は役人のくじ引きで決められました。こうした独特の法によって、国民は平等な幸福と規律を得ることが出来たのです。また、犯罪者や出来の悪い子供は国外に追放されましたが、その後の行いが良ければ帰国が許されたといいます。
アクアポリス(海上都市)として強力な力を持った王国は、アトランティスの中央の島に都市メトロポリスをつくりました。メトロポリスの中央には神殿と宮殿があって、その周りは運河が囲み、運河は水路によって外につながっていました。
まさにアトランティスですね。軍事国家で海上都市で中心部に最大都市メトロポリス。だけど、、、
この時代、世界は戦いに明け暮れていました。そんな中、アトランティス王国は豊富な経済力、強大な軍事力、高度な科学力によって、世界制覇をもくろむようになります。
しかし、こうした野望は近隣諸国の人々に恐怖を与えたため、それに怒ったオリンポスの主神・ゼウスは、アトランティス大陸そのものを一夜にして海に沈めてしまったのです。
これが語り継がれるアトランティス大陸の物語です。すべての物語に言えることですが、物語なのか、史実をまとめたものなのか。
この謎を人は調査したり冒険したりするんですね♪では、詳しくみていきましょう!
古代から伝わる謎の巨大大陸
アトランティスという名が初めて登場するのは、ギリシャの歴史家ヘロドトス(紀元前485年〜前420年頃)がいろんな国を回って、見聞きしたことをまとめた「歴史」という書物の一文です。ヘロドトスはここに大西洋のことを「アトランティスと呼ばれる柱の外の海」と記しています。
次に登場するのは、古代ギリシャの歴史家ディオドロスが書いた「歴史叢書(れきしそうしょ)」の中で、ここにはアフリカ大西洋岸にそびえるアトラス山と、その麓に暮らすアトランティオイ人に関する記述があります。
都市文明をもつアトランティオイ人は天体観測を行って、地球は球体だっていうことを人々に伝えました。
そして、この頃哲学者プラトン(紀元前427頃〜前347頃)は、曾祖父クリティアスの実家に伝わるアトランティス大陸伝説について、哲学者や政治家と語り合っています。
その著作「ティマイオス」と「クリティアス」の中には、「大陸と呼べるほどの大きな島と、そこに繁栄した王国が強大な軍事力うを背景に世界の覇権を握ろうとしたことが、ゼウスの怒りに触れて海中に沈められた」とういう記述があります。
また、作中に出てくるソクラテスも「ティマイオス」の中で「ヘラクレスの柱の外洋であるアトラスの海に、リビアとアジアを合わせたよりも広いアトランティスという巨大な島が存在し・・・」と語っています。
これ以降、アトランティスの名は「失われた大陸」として語られるようになり、それを信じる人々の「アトランティスはどこにあったのか」という研究・調査が開始されたのでした。
ちなみにプラトンは名前じゃなくて、体格のよさから「肩幅の広い=プラトン」っていうあだ名で呼ばれてました。本名は「アイストクレス」。
そして、エジプトの古代文明は突如現れたのではなく、海中に沈んだアトランティス王国の流れを汲んでいたという説や、大西洋上に見られる巨石文明、地中海上の島で失われた古代文明などのルーツをアトランティスだとする説など、様々な説が発表され、現在に至ってます。
プラトンが書いた嘘なんじゃないの?
プラトンは、現在のイタリア共和国のシチリア島南東部に位置する都市「シラクサ」の王ディオニュシオス2世を教育し、理想国家建設を夢見ましたが、挫折したという経験を持っています。
その後、アテネに戻って執筆したのが、「ティマイオス」「クリティアス」などの対話篇だったのです。そこで、そこに記されたアトランティス大陸の存在を否定する研究家達は、「プラトンには、平和で巨大な国家への憧れがあった。アトランティスは、そんな理想から生まれたものである」と主張しています。
今の所このプラトンが書いたことだけでしか、アトランティス大陸は語られてません。もうちょっと何かほしいところです。笑
なので、少し詳しくみてましょう。
プラトンが記したアトランティス大陸
そんな疑問が残るプラトンの文書ですが、アトランティスのことをかなり細かく書いているのも事実なんです。
アトランティスは10の国からなり、海神ポセイドンの子孫がそれぞれの領土を統治していました。王国の勢力はアトランティス大陸はもちろん、周辺の島々やエジプト、イタリアを含む地中海世界とアフリカ大陸の一部まで及ぶ広大なものでした。
経済力を背景とした軍事力には目を見張るものがあり、島の南側にあった広大な大平原は6万の地区に分割され、戦車1万台に戦車用の馬12万頭と騎手12万人、戦車用以外の馬12万頭と騎乗兵士6万人と御者(馬車の前部に乗って馬を操り、馬車を走らせる人)6万人、ほかに重装歩兵18万人、投槍兵18万人がいました。1200隻の軍船も配備され、24万人の水夫がいつでも招集できました。
この時代でこの人数なので相当強い国ですね。
また、この戦力は1つの王国だけのことで、ほかの9つの王国もそれぞれ強大な軍事体制を整えていたといいます。さらに、有り余る資源に恵まれたアトランティスでは、建造・建築物にも特色がありました。丸い形の陸地の一番外側を囲んでいた城跡は銅で覆われ、城壁の内側には錫(金属)が張らされていました。
上のイメージ図でみると分かりやすいけど、ドーナッツ型の大陸でその中に10の王国があって、それぞれが強大な力を持っていた。進撃の巨人の逆バージョンって感じです。笑
そして、ありとあらゆるものが産出したとされるアトランティスで、もっとも不思議なものが「オリハルコン」と呼ばれていた金属です。オリハルコンは飛行船を宙に浮かすことができると書かれています。
これは、銅系の合金で真鍮だという説が有力とされてますが、この時代で「飛行船を宙に浮かせる」というのは、なかなか興味深い記述ですね。
ん〜、哲学者プラトンは、自分の描いた理想や夢をアトランティスという形で再現しただけなのでしょうか。
アトランティス探しの歴史と証拠
プラトンはアトランティスについて記した著作で、「この話は全面的に真実である」と書いています。それじゃあ、アトランティス大陸は、どこにあったのか?その痕跡はどこにあるのか?
大西洋説
一番に検討するべき場所は、プラトンが書いた場所「大西洋説」ですね。
昔から大西洋上の「アトランティス探し」は行われ続けていますが、現代科学の捜索をもってしても、未だ発見されていません。
けど、ヨーロッパの河川から大西洋に出て産卵するウナギの回遊を調べた研究者は、ウナギがメキシコ湾を逆流し、メキシコ湾岸のサルガッソー海で産卵する。というのは、生態上不自然で、これは、かつて大西洋に陸地があった名残では?と、説いています。
フロリダ半島のビミニ諸島の海底
そして、その説を裏づけるかのように、1986年、フロリダ半島の南にあるビミニ諸島沖合の海底で、5メートル四方ほどの巨石が1キロ以上にわたって敷き詰められているのが発見されました。
しかし、一時はアトランティスの遺跡ではないかと話題を呼びましたが、後の調査で人口物ではないことが確認されています。
エーゲ海のサントリーニ島とクレタ島
アトランティスは、もっとヨーロッパ寄りにあったという説もあります。その中で有力とされているのが、エーゲ海のサントリーニ島とクレタ島です。
ギリシャの考古学者によれば、サントリーニ島の火山は紀元前1500年頃に大噴火した。この噴火にともなう地震や津波、洪水などによって崩壊した当時のクレタ島で栄えていたミノス文明こそが、アトランティス王国だと。
しかし、残念です。プラトンが記したアトランティス崩壊の年代と8000年以上の開きがあって、さらい最近の調査で、ミノス文明の崩壊とサントリーニの噴火との間には200年ほどのズレがあると明らかになりました。
マルタ島の巨石文明
シチリア島の南に浮かぶマルタ島もまた、アトランティス王国だったという説が囁かれる島です。
マルタ島には紀元前3600〜前2500年頃につくられたと思われる神殿や宮殿が残されていて、それは最大20トンもの巨石によって形成されています。この高度な巨石文明が、アトランティスだという説です。
マルタの巨石文明もプラトンの記した年代との間に開きがあるけど、「その中の最古の遺跡は1万年前につくられた!」と主張する学説も多く、反対派と賛成派が未だに決着をつけずにいます。
まとめ
実はこのほかに、アトランティスの「候補地」として、アメリカ大陸、ギニア海岸、アイスランド、北海のヘルゴドランド島、サハラ砂漠、イギリス、コーサカス山脈、モンゴル、フランス、イラク、南極大陸、北極、ゴビ砂漠、西インド諸島、ブラジル、バルト海、クリミア半島、オランダなどがあげらていて、アトランティス伝説を否定する学者からは、「候補地になっていない場所を探すほうがむずかしい」と皮肉られていたりします。
また、「プラトンが記述している「アトランティス」は、空想で古代ギリシャの話そのものだ」とし、アトランティスはそもそもプラトンが話に盛り込んだだけ。と主張している人もいます。
けど、探索している人達、調査し続けている人達はプラトンの文献をよく読み理解した上で、「アトランティス大陸探し」を行ってるはずです。原文を読んだことがないので、解読してみたいものです。
・消えた大陸→洪水でなくなっとされる
・海の上、海の中の王国→10の王国からなる海上王国
・古代の巨大な軍事国家→YES
・高度な科学力を持っている→その時代からすればそうかも
・ポセイドンが関係している→ポセイドンの子孫が統治している
未だ発見されていない「アトランティス大陸」。失われた大陸。夢とロマンを自分で追いかけてみたいですね。
長い文を読んでいただきありがとうございます。
世界のミステリーや魅力的に感じた事など、いろいろ書いていきますので、気に入っていただけたら幸いです。
これからも、よろしくお願いします。